学生時代にさかのぼり受けた教えを少し披露いたします。
先に名前を挙げた新カント派の授業を受けた杉村暢一先生からは
「哲学も唯物論から入れば、それはそれで簡単には否定できないものだ」
と言われました。
「論理的判断は捨象であるが取り上げた判断そのものは否定できない」という服部先生の言われたことにつながります。
最も学恩ある金森利一郎先生からは「一人の人物アリストテレスならアリストテレスについて徹底して来る日も来る日も読み続ければ、それが20年~30年続ければ公にできる何かが生まれる」ものだとお聞きしました。
先生自身は、その社会思想史の授業の中で、『形而上学』をも毎年新たに鉄筆で原紙に書き換え謄写版印刷されていました。「訳本でよいから形而上学も読める、よめばわかってくる」とお聞きした記憶があります。