哲学こぼれ話

哲学について、思うことをつらつらと…

2024-01-01から1年間の記事一覧

「安藤先生と学生紛争直後の大学」哲学こぼれ話㉟

小説のように書くとは、私の場合はただ事実と異なていますという意味です。即 時と所もあいまいで公人以外は名前も違っているかもしれません。 私には、先生は雲上の月のような存在でした。真理を求める先生の存在論の授業は熱がありました。『ハイデッガー…

「イスラエル報道の背景」哲学こぼれ話㉞

講義ノートの結論を出すには、哲学史的視点が不可欠です。これは若い研究者に委ねて、私は哲学以外の方々との出会いのエピソードも小説風に溯りたいと思います。 記憶に自信がなくなり確認も十分にはできないと思うからです。 哲学の目指すものは真理(普遍…

Anyhow Pilate said,"What is truth?" 哲学こぼれ話㉝

学生運動が収まった後、何にもまして、安藤先生は真理の追究を学生に示したかったのかもしれません。私は1972(昭和47)年5月4日に田井のご自宅でこの本をいただきました。『 エピクロスの園』理想社です。 ともあれ、ピラトは言った「真理とは何か」と。A…

創造主(The Creator)と安藤先生の「存在論」哲学こぼれ話㉜

安藤先生の前掲書を調べていくうちにそのエピローグで私の疑問は氷解しました。 安藤先生は最後まで哲学という「学問」の立場を貫かれ、ご自分の「信」の立場を哲学には持ち込まれなかったというです。これは後述するジルソン研究の後も変わらないものでした…

REFLECTIONS on GOD,SEL& HUMANITY by TAKATURA  ANDO から ㉛

安藤存在論ノートの結語部分をもう一度ご覧ください。 皆さんはどう考えられますか。私は、哲学者安藤先生の、別書のキリストの十字架の「エリ エリ レマ サバクタニ」に対して「感動てき」と云うことばを発見して先生の哲学的営為もここに終り、真理を追究…

「安藤先生のソクラテス・ブッダ・イエス評」哲学こぼれ話㉚

哲学は批判学であることを体現して見せた先生は、晩年アリストテレスとはある面において違う立場をとると言われていた。 もう少し、入院中に書かれた対話編から世界の聖人評を覗いてみます。 ソクラテスに対しても、 ‟The only wisdom we can afford is know…