哲学こぼれ話

哲学について、思うことをつらつらと…

「ハイデッガーの哲学は、熱烈に信奉されるか、冷淡に無視されるかのいずれかであって、その中間がない。しかし哲学とは批判的精神に徹することである」哲学こぼれ話⑰

 

「よく言われる通り、ハイデッガーの哲学は、熱烈に信奉されるか、冷淡に無視されるかのいずれかであって、その中間がない。しかし哲学とは批判的精神に徹することであるなら、われわれの採るべきはこの中間の道ではなかろうか。著者にとって、ハイデッガー終始硬きクルミであった。

 それは著者の余りにも悟性的な思考を頑強に拒みつづけた。ちょうどヘーゲル弁証法がそうであったように。ヘーゲルハイデッガー、日本の哲学者を最も魅惑したこの二人のドイツ哲学者は、率直に言って著者の精神とはあまりに異質的であった。それにもかかわらず、この二人を全く避けて通ることは私の良心と自尊心が許さなかった。たとえ最終的には理解したり同調することが出来ないにしても、この対決を避けては自分の哲学を確立することが出来ないと感じられた。」

 

「・・・・世のハイデッガー宗の人々から見たらあまりにも貧しい敗北の記録かもしれない。しかし著者は終始自他に対する誠意を失わなかったことを信じたい。

・・・・しかし自己の悟性を瞞着して権威に追随することは著者の最もいさぎよしとしないところである。幸いにして著者の自己愛は真理愛より強くはない。著者は決して私見固執するものではなく、常に識者からの教示啓蒙を望んでいる。」

 

渡辺二郎氏に対談を望んだけれど実現されなかったとお聞きしました。

 


 

続く

 

にほんブログ村 哲学・思想ブログ 哲学へ
 

にほんブログ村 哲学・思想ブログへ
 

 

pc.moppy.jp