哲学こぼれ話

哲学について、思うことをつらつらと…

「英文の対話編に見られる存在論」哲学こぼれ話㉗

私としては前述の驚きの結論とそこに至る過程を探っています。

このノートの講義をさかのぼること12年前の昭和40年に、安藤先生は京都第二日赤に入院中に英語で対話編Hamlet,“TO BE OR NOT TO BE”(「ハムレット あるか あらぬか」)を書かれました。

これを翌年6月に北海道大学日本哲学会で発表。9月にはこれに「ピラト 真理とは何か」を含む日本語訳の『エピクロスの園』が理想社から刊行されます。この書のハムレットに関していえば英文が先で日本語が後になります。但し出版は前後逆です。

前回の写真reflections on God, Self & humanityは、岡山大学に移られて一年後の1968年(昭和43年)に自費出版したものです。そこにはERNEST,or ON GOD   HAMLET,or“TO BE OR NOT TO BE”   PILATE,or“WHAT IS TRUTH”が含まれます。その「ハムレット」のなかでは、

Hamlet  Are you of the opinion that only temporal or spatial things exist and that so-called eternal being does not exist?(「君はただ時間的または空間的なものだけが存在して、いわゆる永遠的存在者というようなものは存在しないという考えなのかね。」)

Horatio  Yes,that is my opinion.(「そのとおりです。それが私の考えです。」)

Hamlet  I am afraid that it will lead to atheism,for God is without doubt considered to be an eternal being.(「それは無神論になりそうだね。なぜって、神は疑いもなく永遠的存在者だと考えられるからね。」)

との叙述が見られます。

 

少し違った角度から、思い出を書きます。それは