哲学こぼれ話

哲学について、思うことをつらつらと…

「安藤先生の『唱和の遊び』と『近藤洋逸数学史著作集』」哲学こぼれ話 36

 大学紛争が落ち着いた後も安藤先生の詩作や詩歌翻訳は続いていたわけです。紛争で学問は中断、余技の文芸の研究なども、このブログでこれまで紹介し、いったん手を付ければ究めずにはすまされない先生だったのだと思います。今ようやく見えてきたことです。安藤先生を文人と云った所以です。

 一方で近藤洋逸主任教授は大学紛争時の学生の精神的支柱であったと聞き驚きました。精神的といったのは私は全く違った印象を持ったからです。 近藤先生は慈父のような温かみのある紳士。誰だったか、進化論の原書講読がよく読めなかった我々受講生に、「私も最初はそうだった。続ければ読めるようになる」と励ましてくださった。夏は避暑地蒜山で過ごされ、趣味はクラシック音楽

 近藤先生はビバルディの「四季は物足りない音楽と評価していたふしがありました。私の記憶違いでなければ安藤先生からも、近藤先生については一言「若い時はマルキスト今は全くそうは見えないでしょう」と聞いた覚えがあります。

 この度『近藤洋逸数学史著作集』を知りました。そのことは著作集に寄せられた文章でも編集者の解説でも確認できました。

。解説によれば第一巻にある『幾何学思想史』には「数学史の資料を批判的に読み解く地道な文献学的手順と、マルクス主義的な唯物論歴史観とが見事に結合された形で現れ出ていた。」とあります。